死が分かつ伊邪那岐命と伊邪那美命、そして八雷
2009年 06月 11日
前回のブログ記事で紹介しましたが、火之迦具土神を生んだことで命を落として死後の世界へ行ってしまった伊邪那美命。
伊邪那岐命は、死別した愛おしい妻に会いたいと、死後の世界へと足を踏み入れます。
伊邪那美命が葬られた出雲と黄泉国がつながっているのは「黄泉比良坂」だと言われています。
黄泉の国に行った伊邪那岐命は御殿の扉ごしに妻との再会を果たし、戻ってきて欲しいと懇願します。
しかし、伊邪那美命はすでに黄泉国の食物を口にした(黄泉戸喫/よもつへぐい)後で、黄泉国の食物を口にするということは、黄泉の住人になったという証なのです。
伊邪那美命は「黄泉神に相談してくるから、待っていてください。そしてどうか私の姿を見ないでください。」と夫に言い、そしてどこかへと姿を消します。
おとなしく待っていた伊邪那岐命でしたが、あまりに妻が遅いのであたりを探しに行きます。そして妻の変わり果てた姿を目の当たりにしてしまうのです…。
美しかった姿は腐敗して変わり果て、腐った内臓からはガスが溢れ体は青白く光り、そしてその体には八雷神(やついかずちのかみ)という八匹の蛇が取り付いていたのです。
頭には大雷居り、胸には火雷居り、腹には黒雷居り、陰には析雷居り、左の手には若雷居り、右の手には土雷居り、左の足には鳴雷居り、右の足には伏雷居り、并せて八はしらの雷神成り居りき
ちなみにどうでもいい話かもですが、みんな大好きマロ雷こと析雷は女性の陰部をイメージして象られているそうです。
…!!?
そもそもあれが蛇なのかよぅ。ヘンなのー(ぁ
ここまでは八雷の由来というか謂れですネ。
とりあえず、姿をみるなと言ったのに見られてしまった伊邪那美命は激怒します。
激怒したついでに、実は黄泉神だった伊邪那美命自身。
大勢の黄泉の軍勢や八雷と共に黄泉比良坂を逃げ戻る伊邪那岐命を追います。
追われた伊邪那岐命はまず、自分の髪を束ねていた蔓草の髪飾りを投げます。
そうすると地面からブドウの木が生えてきて、黄泉の軍勢が貪り食している間に差を広げることができました。
ここでピンとくるのが黄泉のゾーンドロップである「蒲子(えびかづらのみ)」。寄進クエに使うブドウ的なものですね。
それから、黄泉の赤Nの「荒み髪流し」の落とす「錆びた髪飾り」とこいつの徒党にこっそりいる「野葡萄あさり」。
きちんと考えてるんですね、コーエィさんw
伊邪那岐命は次に追いつかれそうになったとき、今度は自分の髪にさしていた櫛を投げました。
すると、地面から筍が生えてきて追ってのジャマをしました。
これまたピンとくるのが、黄泉の赤Nの「腐れ櫛差し」がドロップする「歯抜け櫛」とこいつの徒党にこっそりいる「筍群がり」。
こう考えると、敵の名前とかじっくり見たりするのも楽しいもんですねw
最後に伊邪那岐命は、黄泉比良坂に生えていた桃の実を3個投げつけました。
すると桃の霊力によって、怪物たちは散り散りに逃げていきます。
この設定も、現在ではあまり知られていないですが信オンにでてきます。
伏雷~火雷の間にコッソリ生息する三雷を撃破して条件を満たすと「桃の宝珠」という火雷弱体アイテムがゲットできます。
ただ、昨今では火雷も普通にやって普通に勝てる相手なので…(苦笑
残る伊邪那美命の追走を振りきり、地上へ辿り着いた伊邪那岐命は、入り口を大きな岩(千引の大岩)で塞ぎました。
岩の向こうで悔しがる伊邪那美命。
伊耶那美命は、離別の意を表し、「愛しい我が夫よ。あなたがこんな酷い仕打ちをするのなら、私はあなたの国の人間を一日に千人殺すことにします」と言った。
伊耶那岐命はそれに対して、「愛しい我が妻よ。あなたがそんなことをするのなら、私は一日に千五百の産屋を建てることにしよう」と答えた。それゆえ、この世では必ず一日に千人死に、必ず一日に千五百人生まれるという。
その後、伊邪那岐命は黄泉国へ行った穢れを祓うべく禊をし、その際に三貴神(天照大御神、月読命、建速須佐之男命)を単身で産み落としたという。
以上が黄泉のあれこれのお話でしt。
何か書いてるうちに自分でもわけわからんくなったのぅ。
そうそう、思ったんだけど「黄泉戸喫」という「黄泉の食料喰ったら生ある世界に戻れません」設定って、ギリシア神話において冥界の王ハデスに強引に妻にされちゃったペルセポネの話に似てるよね(ぁ
というか、神話ってのは各神話においてどことなく共通点がひとつはあるもんな気もするけど…^^;
ただ、日本神話の他と異なる凄いとこってのは、やはり神が島を作ったのでゎなく生んだという…(略
みなさんも、瓦ついでに神話に思いを馳せながら黄泉比良坂での狩りを楽しんでみてくださいっw
by dreaming-caos
| 2009-06-11 04:42
| ★大雑把な豆知識